大阪のライター オフィス「おふぃす・ともとも」代表ブログ

大阪在住のライター高野朋美(おふぃす・ともとも代表)です。最新の実績、仕事への思いなどもご紹介。

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ライターという仕事

ライターや編集者を養成する「大阪編集教室」の講師をしていることもあり、私のもとには、しばしばライター志望の方が訪ねて来られます。
そのとき、私が最初にお伝えするのは、「ライターは作家とは違う」ということです。

ライターも作家も、文章を書くという点では同じです。
しかし、決定的に違っているところがあります。
それは「お金の出所」です。

作家のお金の出所は、一般読者です。
自分の書いた作品をお金を出して読んでくれる人がいるから、成り立っています。

一方、ライターのお金の出所は、一般読者ではなく、企業、出版社、制作会社といった、媒体を制作し発行する「クライアント」です。
クライアントがお金を出して「こんな媒体を作りたいから、その媒体に載せる原稿をつくってほしい」とご依頼くださるから、私たちは成り立っています。

ライターはまず、クライアントを喜ばせなければならない、と思っています。
そのためには、自分の表現よりも、クライアントが何を望んでいるかを考えなければならない。
クライアントが「これを伝えたい」と思っていることを文章で表すのが、ライターの仕事だと考えています。

クライアントの先には、読者がいます。
読者を喜ばせることができてこそ、クライアントも喜んでくださいます。
クライアントの思っていることを、どうすれば読者に伝わるように書けるのか。
それによって、どう読者を喜ばせることができるのか。
これを考え、実践することができるから、私たちはお金をいただけます。

ときには、書いた原稿に大きな修正が入ることもありますが、それは、読者に伝わるものを作るためのプロセス。
修正の意図をくみ取り、伝わるものへとブラッシュアップしていくのも、技術の一つだと考えています。

聞くところによると、「私の書いたものに修正を入れるなんて、クライアントは何も分かっていない」と言うライターがいるそうですが、分かっていないのは、むしろそのライターのほうでしょう。
自分の表現を発表したいなら、小説やエッセイといった媒体が適しています。つまり、作家の領域が適しているということです。

もちろん、クライアントの要求がすべて正しいとは限りません。
要求通りにやっていたのでは、どう考えてもいい媒体に仕上がらないと思うときは、勇気を持って進言しなければならないときもあります。
でも、それをするときには、「自分の表現がないがしろにされた」ということではなく、「読者にクライアントの伝えたいことが伝わらない」という観点で行わなければならない。
そこにこそ、プロの技術とノウハウが活かされるべきだと思います。

私は、ライターという仕事を、世の中に認められる職業として位置づけたいと思っています。
ライターになるのに、資格はいりません。文章の専門学校を出ていなければなれない、というものでもありません。ライターと名乗った日から、誰でもライターになれます。

どんな人にもライターになれるチャンスがあるという点では、いいことだと思っています。
でも、そのために、プロと呼ぶにはあまりにも意識もスキルも備わっていない人が増えてしまうのは、決していいことではないと思います。

ライターとは何なのか。ほかの文筆業とどう違うのか。
世の中に対して何ができ、そのために何を大切にすべきなのか。
ライターを職業として、ビジネスとして認めてもらうために、そんなことを考える必要があると痛感しています。

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