大阪のライター オフィス「おふぃす・ともとも」代表ブログ

大阪在住のライター高野朋美(おふぃす・ともとも代表)です。最新の実績、仕事への思いなどもご紹介。

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残したい思い

仕事で、かなりご高齢の方を取材させていただくことがあります。
その方が亡くなった、というニュースを聞くにつけ、言葉を残すことの重みと大切さをしみじみと感じます。

11月、論語の伝道者であり、人間学や精神論の大家である伊與田覺さんが他界されました。
ちょうど1年前、PHP研究所のビジネス誌「松下幸之助塾(現在は衆知)」のインタビューに同席させていただき、原稿の構成を担当させていただきました。

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100歳を越えてもなおしっかりとした口調で、ずっしりと響く言葉を語られる様子を見て、人は年齢の限界を超えられるのではないか、と思いました。
しかし、やはり命あるものは、いつかはこの世を去るときが来るのだと、訃報を耳にしたときに思いました。

激動の時代に直面しながら、想像を絶する困難を乗り越え、たくさんの人を幸せにして来られた方の言葉は、その一つひとつに心に染み入るものがあります。
「この方が伝えたいことを文字にするのが、私の役目なのだ」と思うと、身が引き締まる思いがします。
ライターはとても重要な仕事をしているのだと、改めて感じずにはいられません。

戦前戦後の日本を支え、生き抜いた方が、少しずつ、この世を去っていらっしゃいます。
でも、その方がいなくなってもなお、言葉は残ります。
そしてその言葉には、この世への愛情、後世への温かいメッセージが込められているような気がしています。
苦労してこられただろうに、つらいこともたくさんあっただろうに、この世への恨み言は一切おっしゃらない。
それどころか、次の世代を担う人たちを思い、大切な教えを残してくださろうとしている。
インタビューではいつも、それをひしひしと感じています。

私の名刺には「思い 伝える」という文字が刻まれています。
「思いを伝える」のがライターの仕事だと思っているからです。
年齢を重ねられた方が、この世に残したい思いがあるなら、私はそれを文字にして、きちんと残していきたい。
しかも、次の世代の方々に伝わる言葉にして残したい。
そんな使命を帯びているのだと、生意気ながら思っています。
そして、こんな大切な仕事に携われることを、幸せに思っています。

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